研究テーマ

現在、実世界(Physical System)に存在する様々な機器(例えば、家電製品、自動車、ロボットなど)は、内部に組込みシステム(Embedded System)と呼ばれる小さなコンピュータが組み込まれており、ネットワーク化された仮想世界(Cyber System)の強力なコンピュータと連携しながら、高度な制御や情報処理を行っています。このように、実世界と仮想世界が連携して高度なサービスを提供するシステムをサイバーフィジカルシステム(Cyber-Physical System)と呼びます。本研究室では、サイバーフィジカルシステムや組込みシステムの設計技術について、ハードウェアとソフトウェアの両面から研究しています。特に、組込みシステムの設計自動化、多数のCPUコア(メニーコア)による並列処理、ドローンの省エネルギー化などに取り組んでいます。

メニーコアSoC設計技術

 スマートフォンに使われているシステムオンチップ(SoC)の内部に、CPUコア(以下、単にコア)が何個入っているか知っていますか? 数十個のコアが、1つのSoCの中に入っています。その中のあるコアはGUI、あるコアは動画像処理、あるコアはパケット処理、といったように役割分担を行っています。数年後には、1個のSoCの内部に100個以上のコアが搭載されるようになります。しかしコア数が増えると、ソフトウェアのプログラミングが難しくなります。また、どの処理をどのコアに担当させるかを決定するマッピングと呼ばれる処理も難しくなります。これらの問題を解決するため、本研究室では、メニーコアSoC向けのコンパイラ、マッピング、および、シミュレーション技術の研究を行っています。また、実際にFPGAを用いたメニーコアSoCのプロトタイピング(試作)も行っています。



高位合成(CプログラムからのLSIの自動合成)

 現在、LSIの論理設計は、Verilog-HDLなどのハードウェア記述言語(HDL)を使って行われています。質問です。同じ処理(例えば、画像の圧縮)を記述する場合、Verilog-HDLとC言語のどちらを使って記述する方が楽でしょうか? 多くの人が「C言語」と答えると思います。なぜなら、C言語は「処理の手順」だけを記述すれば良いのに対し、Verilog-HDLでは「処理の手順」を実現するための「詳細な回路構造」を記述しなければならないためです。Verilog-HDLの記述量は、C言語に比べて、5~10倍多くなります。本研究室では、Cプログラムから論理回路を自動生成する「高位合成」と呼ばれる技術を研究しています。高位合成により、大規模なLSIを短期間で設計することが可能になります。


ドローンの電力制御

 ドローン(無人飛行機)は、娯楽目的だけでなく、建物(橋やビルなど)の安全検査やセキュリティなど、様々な分野で利用されています。また、ドローンを使った自動商品配送も実用化に近づいています。ドローンの自動運転を実現するためには、組込みシステムによる高度な電力制御が欠かせません(そうでなければ、バッテリ切れにより墜落する危険があります)。本研究室では、ドローンの電力制御技術について研究しています。特に、与えられた飛行計画における消費電力の予測技術や、低消費電力な飛行計画最適化について研究しています。また、これらの成果をもとにドローン制御用アプリケーションの開発も行います。



IoT/クラウド/SNS連携システム

 IoT(Internet-of-Things)とは、インターネットを用いてサイバーフィジカルシステムを実現する技術です。IoT技術により、身の回りの様々なモノがインターネットに接続され、高度なサービスを実現することができます。本研究室では、IoT、クラウドコンピューティング、および、ソーシャルメディアを連携させることにより、安全で快適な生活環境を実現する研究を行っています。具体的には、高齢者の見守り(転倒の検出)、不審者の検出などを行うシステムを開発しています。



その他の最近のテーマ

 上記以外にも、様々な研究を行っています。研究業績修論/卒論タイトルのページを見てください。